2021-07-30 工学部生命工学科 中澤靖元研究室「シルクのナノファイバーシート」

繊細な#シルク、つやつやしていて、きれいだワン!
シルク は、高級な服に使われているイメージだけど、#農工大 ではシルクを#医療 用に使う研究が行われているワン。
それが、ここ#工学部 #生命工学科 の中澤靖元教授の研究室。

1枚目の写真の奥にあるガラス瓶に入っているのは、生糸を「フィブロイン」というタンパク質だけにしたもの。

これを塩化カルシウムや臭化リチウムに溶かして、透析技術で塩を抜くと、2?3日でフィブロインの水溶液ができるワン。
それが写真2枚目の透明な液体。
ここにシルクが溶けているなんて、なんだか不思議だワン。

写真3枚目は、このシルク水溶液を加工したもの。
ハッケンの目の前にあるのはシルク水溶液を乾燥させた透明なフィルム、コウケンの前にある白いものは、シルク水溶液をフリーズドライにして、スポンジ状にしたものだワン。
絹糸からだいぶ姿が変わったワン!

写真4枚目が、スポンジ状になったシルクを、有機溶媒に溶かし、電気の力を使って糸にした「ナノファイバー」のシート。
600~700ナノメートルの太さの細い繊維が、不織布みたいになっているワン。
一見、紙みたいなナノファイバーシートこそが医療用に研究されている素材だワン!

写真のナノファイバーシートは、シルクだけで作られているけど、色々な素材を混ぜたり、化学的にくっつけたりすることで、柔軟性や弾性などの機能性を追加することができるワン。
混ぜるものによっては、体の中で分解されたり、体の中で臓器や器官をつくる性質になるワン。

中澤先生のグループでは、お医者さんや獣医学科の先生と共同で、このナノファイバーシートを、血管や心臓の修復材料に使う研究をしているワン。
現在、心臓や血管が損傷した時、医療で使われているもののほとんどが、分解されない素材でできた修復用のパッチや人工血管。
先天的に心臓に穴があいている赤ちゃんの治療や、血管のバイパス手術など、命に関わる外科手術で使われるとても大切なものだけど、うまく機能しなくなった時の対応や、作れる血管の長さの限界など、まだまだ課題もあるワン。
その課題を解決するために、たくさんの研究者が色々な素材で開発を進めているワン。
シルクは、人の体の中で炎症を起こしづらく、耐久性もある、とても可能性を秘めた素材だワン。
しかも、シルクのナノファイバーシートは、体の中でだんだん分解されながら、自分の組織で置き換えていく効果があることが分かっているワン。
シルク、すごいワン!!!

写真5枚目は、#電子顕微鏡。
学生さんがナノファイバーシートの繊維の太さをチェックしているのを見せてもらったワン。
細かい繊維がいっぱい集まっているのが見えるワン。

写真6枚目は、固体NMRという機械。
とても強い超電導磁石を使って、分子の構造や運動性などが見られるワン。

#ハッケンコウケンの研究探訪 #医学 #絹糸

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