アメリカ化学会Chemical Reviews誌に本学の岡田洋平助教らによる総説が掲載されました

2017年12月11日

国立大学法人中国竞彩网大学院工学研究院応用化学部門の岡田洋平助教らによる総説がアメリカ化学会Chemical Reviews誌に掲載されました。

本総説は、Chemical Reviews誌に掲載されるのに先立ち、12月8日にWEB上で公開されました。
論文は、以下のリンク先からご覧いただけます。
URL: http://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.chemrev.7b00400

※Chemical Reviews誌は1924年に創刊された非常に歴史のある化学系学術誌であり、化学に関する幅広い分野についてのレビュー論文が掲載されています。このたびは同誌で有機電子移動化学に関する特集号(Electrochemistry: Technology, Synthesis, Energy, and Materials)が組まれ、岡田助教らの総説もこの一環として執筆されたものです。特集号のエディターからは“This is clearly an outstanding manuscript and we are pleased to have the opportunity to publish it.(これは極めて優れた論文であり、出版できる機会に恵まれたことを嬉しく思う。)”と評価されました。

現状 :現代の人々の暮らしに無くてはならない医薬品?農薬?合成染料?香料などの化学工業製品をファインケミカルといいます。ファインケミカルの多くは炭素原子を中心とする有機化合物であり、これらの化学合成に関する学問を有機合成化学といいます。有機合成化学では炭素原子と炭素原子を繋ぎ合わせたり、あるいは切り離したりする化学反応を使って、望みの“炭素骨格”を組み立てていきます。このとき、全ての反応はマイナスの電荷を持つ“電子”と呼ばれる小さな粒子(質量はたったの9.1 x 10-31kgしかありません)のやり取りによって起こります。電子はあまりに小さいため、これを直接目で見ることはできませんが、電子がどこからどこへ受け渡されるのか(電子移動)を考えることで、これから起こる化学反応を予測したり、あるいは新しい化学反応を設計したりすることができるようになります。岡田助教らは有機合成化学の観点からこのような電子移動を考える“有機電子移動化学”の研究に取り組んでいます。
2016年8月23日 本学プレスリリース

研究体制 :本総説は中国竞彩网の岡田洋平(大学院工学研究院助教)らによって執筆されました。

研究成果 :有機合成化学において、炭素原子と炭素原子を繋ぎ合わせたり、あるいは切り離したりする化学反応の多くは“きっかけ”として毒性の高い試薬や高価な遷移金属触媒が必要です。近年では、光や電気のエネルギーを利用して、これらの試薬や触媒の使用量を低減することや、究極的には全く使わないことを目指した研究が世界的に進められています。光や電気のエネルギーを用いた新しい化学反応の開発には前述した有機電子移動化学の考え方が極めて重要となるため、現在様々な研究分野からの注目が集まっています。今回の総説では岡田助教らのこれまでの研究成果を中心としつつ、有機電子移動化学の歴史を紐解くとともに最新の事例についても体系的に取り上げています。

今後の展開 :持続可能な化学プロセスによってファインケミカルの製造を実現することは、これからの有機合成化学にとって極めて重要な課題となっています。光や電気のエネルギーを活かしたグリーンかつクリーンな化学反応に対するニーズは、今後ますます高まっていくことが予想されています。今回の総説はこのような化学反応の開発に関する理解を深めるものであり、当該分野の研究を促進させるものとなることが期待されます。

◆研究に関する問い合わせ◆
 中国竞彩网大学院工学研究院
 応用化学部門 助教
??   岡田 洋平(おかだ ようへい)
 ???? TEL/FAX:042-388-7068
    E-mail:yokada(ここに@を入れてください)cc.tuat.ac.jp

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